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クレアに指を指された廊下側の一番前の席に座っていたそこのお前という名の生徒から順番に、生徒たちの自己紹介が行われた。
とは言っても、ほとんどの生徒たちが必修科目専用の学園からエスカレーター方式で上がってくるので、わりと生徒間には知り合いがいたりする。
例外なのは赤髪の少年のような外部からの入学者だ。
それに、この学園の生徒は98%が貴族なので、貴族の間のやりとりや交流などでできた知り合いが通っているというのはよくある話だ。
ちなみに、赤髪の少年は貴族ではない。
今年の入学者100人の中で平民はたったの2人。
知り合いの有無という点だけで言えば、赤髪の少年の知り合いがいるということはまずないだろう。
そして、自己紹介は着々と進み、赤髪の少年の隣の空いた席の生徒の番になった。
「ああ、そこの席の奴は後ろで寝ているアホだからとばしていいぞ」
そう言ってクレアは後ろの方に歩み寄ると、懐から白いハンカチを取り出し、寝ている生徒の顔に優しくかけた。
クレアは寝ている生徒に苛ついているに違いない。
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