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少年の心情はきっと誰にもわからない。
もしかしたら少年自身がわかっていないのかもしれない。
ただ、彼自身わかっているのは、自分が死に場所を探していたということだ。
彼は何度も命を捨てようと考えたが、結局はそうしようとはしなかった。
いや、できなかったのだ。
大好きな彼女の最後の言葉が彼の心の奥底で戦っていたから。
少年は何も思わずに灰色の空を見上げた。
そこには自分の心よりもはるかに鮮明な灰色の空が広がっている。
少年は視線を前に戻すと再び煉瓦の道を歩き出した。
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