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カルタ1日目
外からの光に目が覚めた。
体を起こすと、大勢の人が直立の整列しこちらを向いて静かに立っていた。
「野郎ども、ボスがお目覚めだ。」
「「おはようございます。ボス」」
!?
何事だ?
僕はクロコの姿を探す。
クロコは黒いマントを付け顔には包帯を巻いたいつもの姿で、深々と椅子に腰かけていた。
クロコは地図を見入っているようだ。
「クロコ?これは一体」
「おうカルタやっと起きたか。もう昼だぜ」
「・・・この人達は誰?何をしゃべっているのか分からなくて。。。。」
「ああ、全員お前の召使いだよ。ここに拠点を張るホーリークロスの支社ってところだな。」
「・・・ホーリークロス?」
「マフィアだよ。裏世界で知らない者はない」
「・・・」
僕はもう一度、整列している人達の顔を見る。
この人達がマフィアの人だなんて言われなければ分からなかった。
見た感じごく普通の人々にしか見えない。
「・・マフィアの人って黒いスーツを着ているイメージしか無かった」
「はっはっは、カルタ、黒のスーツでこの街を歩いてみな。袋叩きの的になるだけさ。」
「ギルドバ」
「イエス、ボス」
クロコがギルドバと呼び掛けると、列の先頭に立っていた白人が答えた。
「僕はボスじゃないよ。ボスは今日から俺の相棒のカルタさ。僕はクロコでいいよ」
「イエス、クロコ」
「カルタに近所を案内してやってくれ。通訳の為にムニエルも連れて」
「イエス、クロコ」
「クロコ、この人は誰なの?」
「こいつはギルドバ。昨日までここのボスをやっていた男さ。そして今日から君がボスだ。
まぁ、環境にも慣れていくさ。」
「私が通訳するから安心してね。カルタさん。」
そう、ウィンクして見せたのは、ガチガチに鍛えられた肉体を持つ厳つい黒人男性だった。
この男がムニエルといい、僕の格闘の指導にあたるそうだ。
この先の生活、僕には不安しかなかった。
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