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ホテル エメラルド
その向かいの建物の7階。クロコに指定された場所だ。ネスクブルハ、この国につくやいなや、地図を渡し、クロコは一人去って行った。
「おい。クロコいるのか?」
ドアの前でカルタは声を掛けた。
「あれぇ?カルタもう来たの?早いなぁーもっと遅いと思ったんだけどなー」
中からクロコの声が聞こえた為、ドアを開ける。
「やぁカルタ。よく無事で。洗礼は受けな・」
クロコがカルタの姿を捉える。
「ここは一体どんな国なんだ!?」
返り血を浴びたカルタの姿を見てクロコは黙った。
カルタは一番奥の席にある大きな黒皮の椅子に腰を降ろした。
「今日はもう。とっても眠い。それに」
カルタは両手首に目をやった。
「手もしびれてる。」
カルタの両手首にはリストバンドのように黒い模様が描かれていた。
カルタは直ぐに深い眠りについた。
「充分過ぎるほどの洗礼を受けてきたようだね。」
クロコは誰に言うでもなく呟いた。
「はぁ。やはり俺とリンクする資格はあるって事かぁ。それにまさか、初日でリンクするなんて」
寝顔はまるで子供だ。いや、起きていてもガキっぽいんだけどな。
この先のカルタの人生に幸あらん事を。
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