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カルタ1週間目
「おはようボス。今日も朝からハード訓練いくわよ。では準備から」
僕の生活の朝はムニエルから格闘の指導を受ける事で始める。
やって来たのは拠点としたビルの地下駐車場であった。
軽くジャンプし全身をプラプラとさせた後、長坐になり体を曲げてゆく。
「ボスも少しは柔らかくなったみたいね。」
体を曲げている最中、ムニエルが上から密着するように乗りかかる。
「・・・耳元で話しかけないでくれ。お前が側にいるだけでも殺意が湧く」
「もう、ほんとウブなんだから」
しぶしぶと、ムニエルが密着させていた体を離す。
僕はゆっくりと体を伸ばしていく。体をよじり、体幹の筋肉を伸ばし、
アキレスけんを伸ばし、足の指までもしっかりとストレッチしていく。
「さぁ、そろそろ次にいくわよ」
1時間はストレッチに費やした。
僕は立ち上がり空気をいっぱいに吸い込む。そして吐き出す。
「・・・ぁあああーー」
「はいはい、ダメダメ。」
手を叩きながらムニエルが止める。
「全然だめねボス。大きな声を出すだけでいいのに」
いい事、良く見ておきなさいよ。
そう言いムニエルが息を大きく吸い込む。大きな体がさらに一回り大きくなる。
「ェエクスタシィイイ”イ”イイーーーーーーーー」
声の振動で体が震える。この空間全てが震えている。
「ハイ、どうぞ。」
・・・・
僕はこの訓練に慣れる事ができるのだろうか。
でも僕は命がかかっている。クロコとの約束がある為だ。
そしてムニエルはクロコが用意した人物だ。
こいつから得られるものは全て吸収して殺してやる。
僕はもう一度、息を吸い込んだ。
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