カルタ1カ月目

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カルタ1カ月目

「さぁカルタ、今日から午後は僕と訓練だ。」 カルタにつられてやって来たのは街の郊外だ。 ひとたび街を離れるとそこは何にもない風景が広がる。 「その前に腕を見せてごらん。」 僕はカルタに腕を見せる。手首には黒い模様が刻まれている。 「この模様は僕とリンクした印さ。僕は人間の黒い思念と繋がっているからカルタも僕を通して使えるのさ」 「使えるっていうのはこれの事?」 僕は体から黒い霧を放つ。 「そう。それ。でも使い方が全然なっていない。いいかい、カルタ良く見ておきな。今日はカルタの持つ力でできる事をイメージさせるのが目的さ」 えいやっ そういうとクロコは僕と同じように黒いオーラを放つが、僕のとは全く違った。 無駄に分散しておらず黒い光が密集している為、より黒く。そしてより質量を持ったモノとしてクロコの周りを覆う。 「まずは放出」 クロコは黒い大きな丸い弾丸を放つ。 放たれた弾丸は速度を落とすことなく、また重力に従い落ちる事無く進む。 弾丸はずっと先にある木にぶつかった。 木は幹を抉られ倒れる。 「この力の源はイメージのエネルギーさ。だから人間にとっては扱いやすいはずだよ」 続いて放出された弾丸はまるで鎌を振るうかのような斬撃で、複数落ちる事無く飛んでいく。 「続いて形状変化」 クロコは身にまとう影の光を三角にしたり四角にしたりと形に変えていく。 そして拳銃そっくりに形をかえた。 そしてクロコが引き金を引くと、一番初めに見せた弾丸のように黒い弾が放出された。 「今のは形状変化に放出を組み合わせたものさ」 「・・・何でもできるんだな」 「その通りだカルタ。何でもできる。」 先ほど放出された弾丸が向きを変え、こちらに戻ってきた。 クロコはまるで結界のような黒い光を僕らの前に展開させる。 結界の中は静かであったが、周囲は爆炎で舞い上がった砂で覆われていた。 「カルタ、午前は今まで通りムニエルに人間としての体の使い方を、午後は僕とこの力の使い方を、そして夜はカルタ独自で自分を鍛えていくんだ。」 「分かった。直ぐに追いつくよ、クロコ」 「フフフ、期待してるぜカルタ」
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