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「・・・痛い。」
その男は引っかかれた顔の傷をさする。
「当たり前にゃ。僕を食らおうなんて不届き千万」
「猫がしゃべった。幻聴を聞くなんてもうダメだ。死ぬ」
「その割には元気そうにしゃべってるけど」
「・・・」
「・・・」
「猫。お前しゃべるのか」
「まっ一応」
「すげーーー。この国の猫は喋るのか。なぁ頼む、俺と組んでくれ」
「組む?組んでにゃにする訳?」
「お前を見世物小屋に売って金にする。そして得た金で俺は飯を食べる」
「おい!」
変な奴に出会った。こいつは思った事をそのまま口にする奴らしい。
人間にしても珍しい部類だ。
「条件付きで飯を奢ってあげない事もないけど」
「本当か?この近くに町が?何でもするから言ってくれ」
僕を抱えて男が立ち上がる。
「今日は時間を持て余しているから、暇つぶしに付き合ってくれ」
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