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「うしっ! じゃあちょっと着替え取ってくらぁ! 流石にお前の汚れたパンツは借りたくねぇからな」
「言ったな!!」
友人の軽口にふざけながら、俺は久し振りに笑ったと思う。それを見て友人も安心したのか、
「そうだ、もしまた人が立ってんの見えたらさ、どんな奴か、スマホのカメラ機能で見てみろよ。意外とキレーに映るんだぜ」
更にそう軽口を叩くと、「すぐ戻る」と言葉を残し、俺の部屋を後にした。
友人の背中が扉の向こうに消え、扉の閉まる音が響く。と、突然、背後から異様な気配を感じた。
俺は吸い寄せられるように、窓に近付いていく。そして、見た。
あの家の、あの窓の、あの人影を。
陽光は変わらず、西からその光を伸ばしている。しかし、その光によって先程は全く見る事の出来なかった窓の内側は、今は一切の抵抗を見せずに、その様子を俺の眼前に晒していた。
「ヒッッ!!!」
俺は、情けない悲鳴を上げて、その場にへたり込んでしまう。しかしすぐ、友人の言葉を思い出した。
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