300人が本棚に入れています
本棚に追加
「吸血鬼を排除する団体。
Vampire Removal Group、通称『VRG』……ほんとセンスのない名前よね。
貴方を監禁して力を無理矢理引き出して利用していたのは奴らの一味よ。」
雅が怒りを込めた口調で言う。
「馬鹿な人間が集まった団体。奴らは片っ端から吸血鬼というものを殺し始めた。洗脳されて『VRG』に入った人間も多い。……奴らに心なんて既に存在していないよ。奴らは密かにそんな事をしていた。そして最初はランクの低い、堕ちた吸血鬼だけだったが……波奈の力を手に入れて、吸血鬼の血を持つ者は年齢性別関係なく殺していった。」
「まだ確かじゃないけれど、奴らのバックには大物の権力者もいるみたいで、誰もその存在を知らない。だから悠々とやりたい事をやっているわけ。」
波奈は背筋が凍り付いた。
『VRG』人間が嫉妬と憎悪で極秘に発足した集団。そんな奴らに利用されていたなんて……。
「拓人達は……そいつらを潰すためにここへ来たの?」
「"それも"ある。
そして潰すんじゃない。
……殲滅させる。」
拓人の目が一瞬真っ赤に染まった。
激しい憎悪を感じずにはいられない。
こんな彼も今まで見た事がない。
無表情だった学校生活が昔のように思える。
最初のコメントを投稿しよう!