プロローグ-Prologue-

2/7
前へ
/512ページ
次へ
何も存在しない異空間のようだ。 真っ暗な闇の中にライトが当たる。辺りには何もない。 あるのは白衣を着た人間が少数。誰もが中心にあるモノを見つめていた。 「準備できました。」 声に心が無い。 まるでロボットのような女性の声が響いた。 白衣を着た女。 片手に資料を持ちながら無表情でそれを見つめる。 この空間の中にいる者の誰一人と、この状況に抵抗など無い。もう慣れている。 中心にあるもの。 鉄で出来たような台座に座らされている一人の女性。 年齢は十代後半。 手首、足を固定され身動きが取れない。 ……どちらにせよ、女性に意識が無いので身動きを取ろうと思わないのだが。
/512ページ

最初のコメントを投稿しよう!

300人が本棚に入れています
本棚に追加