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「リョウさんって、あんなキャラでしたっけ?」
妹であるカリンに追い掛け回されているリョウを横目で見つつ、フォルムに聞く。
「あぁ、なんでも……『もう限界だぁ!コアよ!パソコンを召喚してくれ!』と言ったその日からあんな感じになった」
「ぱそこん……って、何?」
「俺もよくわからん。ただ言えるのは、魔法みたいだけど魔法じゃないってことだな」
「何それ変なの……」
クスと笑い、フォルムをジッと見つめる。そして、満面の笑みで───
「フォル君、おかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
───ずっと、言えなかったことを言った。
「もう、会えないかと思った。死んじゃったかと思った」
アリアはフォルムに抱き着き、胸の上で今まで貯め込んできた気持ちを吐露する。
「ずっと不安だった。一人になっちゃうんじゃないかって……だけど、カリンちゃんがいたから」
「ごめんな、心配かけた」
「うぅん、またこうして会えたから────」
アリアはゆっくりとフォルムの唇に自分の唇を重ね合わせた。
「────大好きだよ、フォル君」
「俺もだ」
優しく触れ合うだけのキス。それだけでも、二人の顔は赤くなっているのが傍目にもわかる。
「あぁ!アリアさん、抜け駆けは禁止です!」
リョウを追い掛け回していたカリンが、フォルムとカリンの元へと戻ってきた。
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