捨て子

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 ある夏の日の夜中、男は人の気配が少ない街の裏路地で、小さな男の子をそっと道の端に置いた。 男は男の子を、見つめながらこう言った。 「すまない。こんな悪い親で・・・。」  今後、男の子の生活に必要であろうお金が、心配にならないように、手紙を添えて、バッグの中に詰め込んだ。 男はこうつぶやいた。 「私と同じ世界で生きてはいけない。お前は自由に生きろ。」 男の手下はこう言った。 「ボス、そろそろ時間です。本当にいいんですか。我々の組織の後継者ですよ。」 男は言った。 「いいんだ。息子を自由に生かしたい。我が組織は強大だ。さあ、行くか。じゃあな、オールド。」 まだ幼いオールドを置いて、男と手下は立ち去っていった。
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