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わたしは 学園の黒い制服を脱いで畳む。
赤いリボン。
わたしは 赤い色が嫌いだった。
それは学園のトレードマーク。
男子生徒のネクタイも 赤い。
しかし制服はリボンを除いて好きだった。
地味なところが。
とにかく…黒い服に着替える。
スカートでない。
わたしがスカートが苦手だとマスターは知っていたからだ。
「やぁ~!ルカルカ!!」
「ご無沙汰しております。ルカ姉さん。」
店内に移動すると、彼女たちが椅子に並んで座っていた。
「唱香…。学年は同じだよね…。」
金の髪を二つに結う少女は、
"白ノ蘭 唱香"。
(はくのらん しょうか)
それに、ご無沙汰って…今日…学園で会ったのに。
と…内心 突っ込む。
「ルカ姉さんって、呼んだら…いけないのですか…」
"うるっ"とした青い瞳。
わたしは これに弱い。
カウンターの前に座っている。
金髪の双子。
それは腐れ縁であり、
友達である。
「いいけど…。」
涙のたまっていた瞳は 一瞬でキラキラに変わった。
「ルカ姉さん!!
いえ…ルカお姉さまと呼ばせて下さい!!」
「おぉー。ルカルカ昇進だね~。」
可愛い双子に、呆れを感じた。
「勝手にして…。」
わたしの友達は 変わった人間が多い。
彼女たちとは、小学生からの幼なじみだけど。
ハーフの少女たちも人をあまり寄せ付けない。
と…いうより特定の生徒以外は 近づくことはない。
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