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わたしは淡々と睨み付けた。
眼鏡をかけているために、睨んでいることを知らないのだろう。
先頭にいる男は 気持ち悪く口角を上げた。
「けっこう可愛いじゃん?なに?妬きもち?
大丈夫姉ちゃんも連れていくよ。」
そう言って、赤い髪を掻いた。
わたしよりも歳上だろうか?
歳が近いのは 確かだ。
「ねぇーちゃん知ってる?
俺さ "鬼神"(キジン)っていう
族のナンバー2なんだよね~?
なあ…俺の女にならない?」
ひとまわりデカイ男。
わたしの手を引っ張る。
"ブチッ"
頭の中で何かが切れる音がした。
そしてわたしは 火がついた…。
「わたし 男が嫌いなのだけど?
触るな…よるな…近づくな…。」
男は 宙に舞った。
「グハッ……。」
「おーさすが~。
ルカルカ~!!」
わたしは 背負い投げを実行した。
「ルカお姉さま!!
合気道も見たいです!!」
……。
これは遊びではない。
そう信じたい…。
わたしの思いは空しく…彼女たちは 相手を煽るようなことばかりを言う。
「やッたな…キサマ…。」
「調子にのりやがッて!!」
「嘗めるなッーー!!
このアマがーーー!!!!」
「わーわー騒ぐな?
それにしても効いたよ~君、良い腕してるな。」
「南井(ない)さん!!!!
とっとと!!殺っちまいましょうッ!!」
「あー煩いな~おいお前ら、近所迷惑だろ?
学習能力つけようぜ?」
「わたしたちにとって…あなたたちが迷惑なんだけど。」
わたしは 呆れつつ、相手の出方を伺う。
相手は6人…。
余裕はない。
まだ喫茶店は近いけど…彼女たちを逃がせるかは分からない。
どうしよう。
先頭の南井と呼ばれた男。
その横にいる大柄な男はこちらを睨み付け、向かってきた。
わたしは すんでに避ける。
太い腕を掴んで…、
とにかく…考えているうちに間接技をかけた。
「イッ……。」
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