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「へェー、上玉じゃん?」
わたしの眼鏡を吹き飛ばした男が 目の前にいた。
覗きこまれる。
月明かりが、わたしたちを照らした。
赤い髪。
瞳は グレーのカラコン。スッとした鼻。
引き締まった身体。
開いているシャツからは タトゥーがのぞく。
立ち上がって、後ずさる。
「ルカお姉さま…大丈夫ですか…?…うー…。」
「ルカルカ!!
警察呼ぶから!!」
「おいっ!!調子に乗んな!!」
彼の後ろから、怒鳴り声がする。
「えー。サツ呼ぶの?
警察沙汰ね~
君らも困るんじゃない?
あの学園~厳しいからね?
退学にならないのかな。
金持ちでも親に張れたらおしまいかもね~。
まぁ…連れてくんなら君だけでもいいんだけどな
つれない子ッて…泣かせがいあるからな。」
そう言ってケラケラ笑う。
わたしは 睨んだ。
手が痺れている。
でも一発…お見舞いしてやる。
そう思ったとき…。
「うわっ。」
「ゥウ…ッ。ワンッ。」
また彼の後ろから仲間らしき男の 無残な声と…。
犬…らしき鳴き声がする。
「えっ。」
わたしは投げつけられたものをキャッチする。
眼鏡…?
「そこ…邪魔なんっすよ?
退いてくんないっすか…。」
その声が消えると…。
鈍い音がした。
「っ…。ウッ…。」
「なんだガキ相手に。」
わたしは眼鏡をかけた。
「グハッ。」
「ガキで悪かったですね。オレは別になに言われてもいいっスけど…
て…。あんたは…。」
わたしは目を疑った。
「蓮……。」
これは 偶然の再会。
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