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「……。」
わたしを見飽きた彼は、男たちに向き直る。
「誰かと思ったら鬼神の
南井 雹…。」
(ない ひょう)
「ガキに呼び捨てとはな~。嘗められたもんだよね。」
「こいつおれの連れッス。散ってください。」
「まあ…君は面倒だからね…。その子に免じてな。
じゃあね~また会おうよ?近々~。
行くぞ。」
「チっ。
覚えてろよッ!」
南井さん…待ってください…と男たちは 追いかける…。
こっちに手を振る南井…。
なんて面倒で軽い人間なんだ…。
「覚えてろよ…て、言うひといるんだ…。」
そうわたしは 思うしかなかった。
「ルカルカ~大丈夫!?」
「ルカお姉さま!!
お怪我は~!!」
彼女たちは 泣いていた。
わたしは宥める。そして彼を見た。
「まさか…帰ってきてるとは思わなかった…。」
彼は リードをひいて、犬の散歩でもしていたのだろう。
白い柴犬がそこにお座りしていた。
「……。
オレは…別に…。
つゥーか…。
弱くなッたのな…。怪力女。」
そう言って、嫌そうに近付いてきた。
「身長伸びたね?
少しだけ…。」
「おまえ…おれ様をバカにしてんのかッ!?!!」
彼は、そう言って怒った。
出雲 蓮。
(いずも れん)
それが彼の名前だ。
「いや…。あんまり変わってないから…。」
「……。あんたは変わりすぎだ。」
そういう彼は、わたしにとって忘れてはいけない事件を知る人物。
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