ぷろろーぐ

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「雨沢 流華…。」 この声色は彼だ。 細めた瞳は 笑う。 無表情には 釣り合わない。 闇色の瞳。 そんな彼の第一印象は、覚えていない。 「雨沢…ルカ…。」 何度も何回も彼は、呟く。 低い響きだ。 鳥肌がたつ。 彼に 気付かれずにすむだろうか? わたしは 無視を貫きたい。 それは放課後。 雑用を終え、 机にうつぶせになったのが そもそもの原因。 起きるタイミングを逃した。 彼は、近づいてくる。 「アマサワ…ルカ…。」 狂っているように聞こえた。 その響きが。 眠い…それも吹き飛んだ。 彼は、やって来た。 すぐそこに。 「見つけた。」 狂っている。 その声は降ってきた。
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