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「何を企んでいるの?」
彼は、眉をひそめた。
無表情は崩れる。
「オレが?
企むわけがない。」
返答は速かった。
「…。わたしは あなたが嫌いです。
だから、付き合う理由がない。」
そう断言した。
彼は、唇の端を釣り上げる。
なぜ?
あなたは 不自由しないほど…多くの女に愛されているはず。
「オレは おまえが嫌いじゃない。」
「わたしは あなたが大嫌い。」
彼は、不思議な男だ。
他人とは 群れない。
多かれ、少なかれ自分から群れようとは しない。
だというのに、目の前に存在した。
わたしが避けてきた彼が…。
「なんで?
わたしなの?」
彼は、言った。
「おまえに興味をもったからだ。」
そう…それ以上でも
それ以下でもない。
「賭けをしないか?」
彼は、続けた。
「…オレに助けを求めたときには おまえの敗けでどうだ?」
「はあ?」
表情と言葉
そして わたしとは
不釣り合いな男。
全てが唐突で
そして始まり。
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