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 そこかしこに本が山積みにされ、結界だとか、一つの林のようにになった部屋。だがしかし、ここに日の光はむしろ毒だ。  眩しすぎる。  蛍光灯やら人工の光でも十二分すぎる。  閉鎖された完全人工林。  自然物など俺しかない。もしくは存在しない。  そんな部屋で、ぼんやりと。    ーーこれで良かったのだなんて思っていた。  俺がいなくても君は大丈夫だろう。もともと大丈夫だったのだ。  むしろいない方が良いかもな。  きっと君にとっては俺の代わりなんざ幾らでも。かまってやってそれらしいことを言ってやれば良い。  それを救いだ、答えだと思い込んで、前より余計に苦しむのだ。  そういった点でも、言葉は麻薬になり得るかもしれない。  活字中毒よりよっぽど厄介だな。相手自体にヤツらは溺れてしまう。そう考えると劇薬の方が正しい表現か。  俺は溺れられたのだろうか。いや、君はやはり、溺れている君に溺れたかったのだろう。それでも、溺れさせた事にはなる。     嗚呼、  それは罪になるだろうか。ーー裁いてほしいね、是非とも。    そんな事を思った自分に気付き、なんとなく後ろめたくなった。  溺れていたのは俺自身、という事にしよう。多分、ほとんど事実だ。
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