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「いや~色々と大変だったな。」
「ああ、色々と大変だったよ。」
「まさかあんなに幽霊が出るとは思わなかったな。」
「ああ、その幽霊達はお前に串刺しにされてたけどな。」
「まったくビックリしたぜ。」
「僕はお前にビックリだよ。」
などと話しながら僕と彼は最初廃虚に入った入り口に向かっていた。
「……ん、あれ?」
「どうしたの?」
「いや、俺たちが入った扉が無くなってる。」
えっ、そんなわけないだろ。と思いながら周りを見ると確かに入口らしきものは無くなっていた。それどころかさっきまではあったはずの窓も全て無くなっていた。
「これってつまり、閉じ込められたってこと?」
焦りながら言う僕に対し、彼は
「もっと串刺しにされたいらしいね。」
と静かに笑いながらつぶやいた。
どうやら僕と彼の肝試しはまだまだ続くらしい。
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