予想外の肝試し

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廃虚の入口らしきところまで行って一旦止まる。 まだ何か起きた訳ではないが、近くに来てみると不気味な雰囲気だった。 「……寒気がするな。」 彼がそう言いながら少し震えていた。 もしかして何か感じとったりしたのだろうか?なんかこう、霊的なものを。 「アイスとかき氷をセットで食べるもんじゃないな。」 普通に寒いだけだった。 「ねえ、本当に入るの?今からでも引き返さない?」 無駄だとは思うけど一応言ってみた。 「何を言ってるんだ、ここまで来て引き返す訳ないだろう?中途半端は嫌いなんだよ。心霊モノの番組見てると必ずゲストの誰かが急に体調崩したり泣きだしたりして、《急展開!○○の身に一体何が!?》っていうアレくらい嫌いなんだよ。」 やけに例えが具体的だった。そんなに嫌なのか。 「まあ、確かに毎回似たような展開ばかりな気はするけど、案外本当に取り憑かれてるのかもしれないよ?でもいい加減ああいうのも飽きてきたけど。」 「さっきから何を無駄話をしてるんだ。まったく、そんなんだからイマイチパッとしないキャラなんだよ。早く入るぞ。」 ……コノヤロウ……話に乗ってやったのに。 こうして僕と彼は廃虚の中へと入っていった。
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