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それからどれくらいの距離を走っただろうか。
窓の外を覗く余裕も生まれた僕は席に座ったまま流れていく景色に視線を向けていた。
ちょうどその頃から、木があって山があって、田んぼがあって、さらに遠くには入道雲もあって、ごく普通の景色がポツリポツリ現れるようになっていた。
差し込む太陽の日差しも、肌へジリジリ刺すように痛かったし、バスが風を切る音も耳へ入ってきた。
それを見て安心してしまったのだろうか、まぶたが少しずつ重くなってきた。
自分が疲れたような眠気に襲われたのはそれから間もない時で、座席にもたれながら眠りについたのはそれからすぐの事だった。
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