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目を開けた。
セミがせわしなくジージーと鳴いている。
目を開けた場所は僕が普段使用している自宅の子供部屋だった。
壁紙に恐竜の絵が書いてあったり、机やおもちゃもある。
見慣れた景色だった。
窓が開いていたようで、風がフワリと抜けてカーテンを連れさろうとしている。
「ヨシユキ、起きたかい?」
部屋の扉から顔を出した父は心配そうに僕を見つめるとそう聞いた。何が大丈夫なのかわからないけど、その時はただうんと頷くしかなかった。
帰ってきた。
「みずいろのバス停にいたんだ」
父を前に僕は言った。
けれど、父は悪い夢だよと言って扉を閉めた。
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