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「いたぞ!あの女を捕らえろ!」
二人は遠くから、聞こえてきた男の声により、我に返った。
二人は慌てて立ち上がった。
「あんた追われているのか?」
黒い袴の男は女に聞いた。
コクコク
女は首を縦に振った。
その姿もまた愛らしかった。
「じゃあ、逃げるか。
しっかり捕まっとけよ。」
黒い袴の男は微笑し、女を軽々と持ち上げ、お姫様抱っこをした。
女は顔を赤らめ、少し慌てた様子を見せたが、すぐに男の首に腕を回し、捕まった。
二人は、そのまま風のごとく走り去っていった。
「ハア、ハア。くそっ!逃げられたか!」
男たちは息を切らして、走ってきたが、二人の姿は既になかった。
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