非人非鬼 其の壱

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「鬼の仕業か…」 正宗はボソッと呟いた。 「どうかお侍さん。いいえ、正宗様。どうか、父を、母を助けてください。」 かぐやの涙ながらの嘆願に正宗はしばらく目を閉じて考えた。 「…分かった。 承諾しよう。」 それが、数分の沈黙の後、正宗の放った言葉だった。 「え?」 「その代わり、協力してもらうぞ。」 「あ、ありがとうござい、ま…す。」 その後、かぐやは安心したのか、倒れるように深いねむりに落ちた。 それを正宗はそっと支えた。 「ったく、俺が鬼だったら、どうすんだよ。」 正宗はかぐやの寝顔に少しどきっとし、顔を赤くしながら、外に視線を移した。
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