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「鬼の仕業か…」
正宗はボソッと呟いた。
「どうかお侍さん。いいえ、正宗様。どうか、父を、母を助けてください。」
かぐやの涙ながらの嘆願に正宗はしばらく目を閉じて考えた。
「…分かった。
承諾しよう。」
それが、数分の沈黙の後、正宗の放った言葉だった。
「え?」
「その代わり、協力してもらうぞ。」
「あ、ありがとうござい、ま…す。」
その後、かぐやは安心したのか、倒れるように深いねむりに落ちた。
それを正宗はそっと支えた。
「ったく、俺が鬼だったら、どうすんだよ。」
正宗はかぐやの寝顔に少しどきっとし、顔を赤くしながら、外に視線を移した。
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