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「妖刀に愛されし呪われし赤子…」
その様子をじっと見ていた小十郎が口を開いた。
「おもしろい。
なあそいつ俺に預けてくれねえか?」
「ほほう。小十郎殿が興味を示すとは…
何故そのようなことを?」
小鬼は微笑して言った。
「まず、そいつの近くにある刀は妖刀だ。」
鬼たちは赤ん坊の近くに置いてあった二本の刀を見た。
小十郎は続けた。
「今お前らを襲った光の正体はその刀から発せられたものだ。
つまり、刀がこいつを守った。
妖怪しか扱えない妖刀を人間の、しかも、赤ん坊が使ったんだ。
これ以上おもしれえもんはねえだろ。」
小十郎は笑いながら、そう言った。
さらに、鬼たちが聞こえないほど小さな声でこうも言った。
「それにあいつの顔によく似てやがるしな。あいつの子供だろう。」
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