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小十郎は布をどけ、顔を覗いた。
「やっぱりあいつの子供か。
ってことはこの刀はあれか。」
小十郎はそう言うと不敵に笑い、
「数多の妖刀と法刀を産み出した名工・正宗。やつは妖怪の体でありながら人の心を持っていた、いわば、狭間の人間。
妖刀に愛されたお前はそいつにちなんで正宗にしよう。
天道 正宗。それがお前の名前だ。」
正宗と名付けられた赤ん坊は炎を思わせるほど赤い髪と赤い目をしていた。
天道 正宗
後に人と妖の頂点に立つ男である。
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