非人非鬼 其の壱

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「なあ、あんた。頭にバンダナつけた派手な柄のズボン履いてる男を知らないか?」 「知らないな。」 人通りの多い表長屋の商店街で黒と赤を基調とした袴を着ていて、腰に二本の刀を携えている短髪黒髪の男が商人に質問をしていた。 男は商人に一礼し、また別の人を尋ねた。 しかし、どの商人も「知らない」「分からない」の一点張りだった。 「はあー今日も成果なしかー」 男はため息をついた。 「あの人で最後にするか。」 そう言うと男は、目の前を通った商人に近づき、尋ねようとした。 「もし、人を探しているのですが……」 男が商人に尋ねようとしたそのときであった。
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