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「いままで…お世話になりました!!これまでの後恩は…一生忘れません!」
体格のがっしりした30代前半の男は、ヒゲがオシャレに揃えられている顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
というのも、一年間お世話になったギルド「しなびたキノコ」をやめることにしたからである。
もちろん中堅ギルドの「混沌のピエロ」からヘッドハンティングされたことは内緒である。
「か、考え直さないかい?ヤヒトさん?ここだって居心地は悪くないだろう?なにも今すぐやめる理由なんてないじゃないか。」
机の上に腕を組み、またその上にのっかっている顔は冷汗をかき、笑顔がひきつっている。
「カノンさん…自分はもう限界です…だって……なんでギルド員俺しかいねぇんだよぉぉぉぉぉ!!やめてやるこんなクソギルドぉお!!!チキショー!!」
そう叫びながら男はドアを勢いよく開き飛び出して行った。
古くなったドアはキィキィ鳴き、静まりかえった部屋をより寂しくさせた。
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