俺は地上へ行く

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 ガイは穴をよじ登りはい上がろうとすると、ガイの目の前に汚れた草鞋が見えた。顔を上げてみると上半身裸で短パンを履きこなしたこの集落の長老の息子、ナガラが仁王立ちでガイを見下ろしていた。 「よぉナガラ。毎度毎度しけた面してやがるな」 「お前はいつも泥まみれだな。いいから早く上がってこい」  ナガラにそう言われて穴からはい上がると、ナガラはガイの目の前に何かを突き出す。  それは手動タイプのドリルだった。錆がついていなく、まだ真新しい。 「お、おい。このドリルどこで?」 「ノラが発掘したそうだ。まぁ発掘する事事態はなんら不思議ではないがな。しかし、真新しいのが実に不思議だ」  穴蔵の多くは、過去の遺産。つまり人類が栄えていた時代に使われた機器類が埋もれている。しかし遺産は数百年は昔の物が当たり前で、殆どが朽ちて形を留めていないのだが、ナガラが持っていた手動ドリルはピカピカに光る程に真新しい。 「形は普通の奴と変わり無いよな?なんでこんな真新しい物がまだ残っている」 「普通は錆てるかボロボロになっているかだがな。まぁ細かい事はまた後で考える。そのドリルで残っている仕事をさっさと終わらしてくれ」 「任せろ!」とガイは手動ドリルをグルグルと回す。ドリルがキリキリと音を立てる。「穴堀は俺の十八番だぜ!」
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