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『あっ!ごめん…起こしちゃったね……。』
テーブルに置いてあるティッシュを手に取り、涙を拭う。
鼻を啜りながら、私の居るベットへと近づいて来る。
近づいてきた女の顔をよく見ると、とても幼く見え、涙で崩れた化粧が尚更、幼さを際立ただせるのだった。
『ーーお前、それ落とすか直すかしろよ…』
『えっ!?何が?』
赤く、腫れ上がった瞳を大きく見開き首を傾げる仕草に、まだ名前の知らない女に、私は珍しく声を出して笑ったのだ。
『お前…天然なの?顔だよ、顔』
『あっ!顔かぁ、ごめん!顔ね…』
恥ずかしそうに…
その惚けた女の態度に、私はまた笑ったのだった。
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