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10月24日のよく晴れた日のことだった。
彼は歩道を全力で駆けていた。彼は周りからの奇怪な目もきにせずに人混みの中をスイスイと進んでいた。
しばらく走り、辺りを確認すると、そこはどうやら公園のようだった。
それから少し公園の中を歩き回った。
お世辞にも広いとは言えないこの場所は、あまりにも殺風景で、公園の代名詞である遊具が1つもない。そう、そこは公園と呼ぶにはいささか無理がある、さしずめ広場と言ったところである
「ここならちょうどいいか」
彼はこの日のためにかねてから用意していた赤紫のフード付きコートをすっぽりと被り、たった一言呟いた。
「さよなら頼歩」
すると彼の体、正確には赤紫の色をしたコートが浅黒く光だした
徐々に光が増していく中で、彼は目を瞑った
刹那、彼はその場からなんの痕跡も残さずに世界から消えたのだった…
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