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春、高校へ入学し、今日は部活動体験の日
グラウンドには多くの一年生が集まっており、自分もその一人だ
大半は見慣れない顔の人ばかりだが、何人かは知っている顔もいる…
(あ…あの人…、山王寺中の清水くんじゃ…)
山王寺中の清水、彼は「サイドスピーダー」とも呼ばれていて、サイド側からの力強いドリブルが武器の選手だ
なぜ、西がこんなに知っているのか、中学校の時、関東大会の準決勝で山王寺中と戦ったからである
…と清水を見ていると、彼も気付いたらしくこっちに駆け寄ってきた
「お前…海祥中の西か?」
「うん……清水くんだよね?」
「あぁ…お前もここに来てたのか、まさかいるとは思わなかった…これは楽しみだな」
ここ、というのは誠実中のことだ
誠実中のサッカー部は弱い訳ではない、しかし圧倒的に強いかというと…決してそうはない
「なんで西がこんなところに来たんだよ?もっと強いところあっただろ?」
清水が不思議そうに言った
「自分の実力じゃ強い高校は無理だよ…ここでサッカー、したいんだ」
そう、分かってる、僕の実力じゃ強い高校に行っても通用しないんだ…シュートは下手だし…パスだって上手いわけじゃない…
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