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「いくぜ…」 (コイツ…明らかに雰囲気が……!?) 松本がそう思ってたじろいだ瞬間 ゴォ! と轟音が聞こえたような気がした松本、 …しかし (な…いない!?) 清水を完全に見失い、後ろに振り向く松本 (後ろにもいねぇ!?アイツ、どこに行きやがった!?) 気付いたのは、そう思ったすぐ後だった なんと、清水は正面にいたのだ (は…?) 確かに、清水は自分の目の前から消えた、正面にいるはずがない (この俺が見失った…だと?…くそ、何が起きたかわかんねぇ…なら…こっちから…っ!) 松本は一気に清水との距離を詰めにいく しかし、またもや清水は松本の目の前から消える (今度は引っ掛からねぇぞ!!) と、松本は前を向く いない、感じたのは清水が走り去った後の風だけだ… まさか、と思い後ろを振り帰ると そこには清水の後ろ姿があった 「くそっっ!」 松本は清水を追う (これなら…間に合う!!) 松本はなんとか追い付き、タックルを清水に浴びせる ガッ!と強烈な衝撃音が響いた (手応えアリ!これなら少しはバランスを崩す!) そう思いボールに向かって足を伸ばす、フェイントなど必要がない、バランスを崩したら人は本能的に自分を優先させるのを、松本は過去の守備経験から学んでいるのだ しかしボールに足は届かない、 (え…?) 清水はバランスを崩すことはなく、ボールを保っている (おかしい…今の当たり方でバランスを乱しもしない…ッ!?) その時、松本は聞こえてしまった いや、聞こえたというより清水の唇の動きで何を言っているかはっきり分かった コンナモンカ? モットタノシマセテクレヨ (…な) その言葉を理解した瞬間、清水は松本に体を預けるようにしてクイックターンしその差を離していった 清水の口元が僅かに緩んでいたのを目視して、松本は立ち尽くしてしまった
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