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思えば色んなことがあった。だけど、それは全部が全部楽しいことなんかじゃなくて、泣いたり笑ったりで、なんていうか。
とにかくたくさんあって、大変だったけど、それはそれで良くて。
わざわざ思い出さなくてもいいくらい、なんだか昨日のことのよう。
この道は、未来へ続く道……そんな気がした。
そう思わせてくれたのは――
「おい、こら。日向」
「う、わっ?」
突然、背後から話しかけられてこっ恥ずかしい妄想が中断させられた。
顔が赤くなってるのが自分でも分かったけど、恐る恐る振り返る。てか、わざわざ振り返らなくても誰だか分かってるんだけど。だからこそ、振り返りづらい。
でも、その顔が見たくて振り返ってしまうんだ。
「……黒田、くん」
黒田くん。そう声に出すだけで頬がさらに上気した。
ヤバイ。あたし今、顔真っ赤だ。どうしよう、恥ずかしい。
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