とち狂いはじめたご主人様の章 ~第1幕~

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あああああ。もうよくわかんない。 こんな常識はずれのお屋敷なんだから、ライオンの着ぐるみを着た外国人が勤務してても不思議ではない。 ……てことにしよう。 それより気になるのは、葉織ねえさんのこと。 「ご主人様、さっきの我が妻って…」 「うるさい黙ってろ!!」 なんですって!? 怒鳴らなくてもいいじゃない!! かなり頭にきた。 いきなり怒鳴りつけることないじゃん。 そんなあたしを無視して、やりとりは続いてる。 「おかしなことをおっしゃる。葉織様は自殺だったじゃないですか。それになぜ、私が葉織樣を殺さなければならないのですか?動機がありませんよ」 「そんなものは関係ない!!」 な、ないの!? 「その時間にはアリバイもあります」 「それがどうした!!」 大事だよ!!! 「いいがかりです猛様、私はそんな…」 ひどい。 この男は立場が上だということをいいことに、好き勝手いって人を侮辱してるにちがいない。 もう、すんごい腹が立ってきた。 そして自分でも知らない間に、あたしは思いっきり叫んでいた。
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