とち狂いはじめたご主人様の章 ~第1幕~

10/18

31人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
「なにをとち狂ってんですかご主人様!!」 ………………………………………… 一瞬、場が静まりかえった。 みんなの視線が、あたしに注がれる。でも、そんなことかまっちゃいられないんですよあたしは。 「さっきからいい加減なことばかりいって、人を侮辱して、失礼にもほどがありますよ!」 「なんだと?」 ご主人様が厳しい目であたしを見る。 負けるもんか。 こんな人に好き勝手させちゃいけない。 いくらご主人様だからって、あたしが教育してさしあげますわ! 「証拠でもあるんですか?怪しむ根拠でもあるんですか?例えば返り血がついてるとか、全然あやしいとこもないのに、人を殺人犯扱いするなんて最低ですよ!さあ、あやまってください!あの人に、申し訳ありませんでしたって謝罪してください!」 そういって、わたしは気の毒な先輩の着ぐるみ様……レオナルドだからレオ様でいいかな、を見た。 ゆるキャラの愛らしい顔につぶらな瞳、そしてふかふかの体にはなんかドス黒い染みがついてる……んっ!?
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加