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「海影、今お前が踏んだものはなんだ?」
「え?あたしなんか踏みましたっけ?」
……すっとぼけましょうここは。
「よく自分の足下をみてみろ。反論に熱くなっていてわからないのか?」
あああっ!
やっぱダメ!?
うぐ…
こ、これって動かぬ証拠ってやつでは…
でもレオ様が犯人とは限らない!
たまたま拾ったから…てのは苦しいかもしれないけど、きっとほんのちょっとだけ関わりがあるくらいよ!
なにより、
ご主人様の考えが当たってるなんてことありえない!!
絶対あっちゃいけないんだからっ!
あたしはたった今みつけたっぷりでそのナイフを拾い上げて、ご主人様に見せることにした。
「あっ!こんなところにどこにでもあるよーなナイフが!こ、これはいったい!?」
と、
もっかいすっとぼけてはみたものの。
「ふむ、刃には乾いた血がついているようだな…そして、それは先ほどレオナルドが転んだ時に落としたものだ、そうだろう?」
ご主人様いたって冷静!!
「そ、そ、そそそんなことわからないじゃないですか!ご主人様は犯人だって決めつけようとしてるだけです!だいたいなんで葉織ねえさんが殺されたことにしたいんですか!?さっきもこの方がいったように、自殺…」
あれ?
そういえば、
前に聞いたとき、
葉織ねえさんは、
たしか誤って転落したっていってたような……
でもレオ様さっき確かに自殺って……
「この中に、葉織は自殺だときいていた者は」
……………………
誰も何も言わない。
「何かしらのアクシデントによる、転落による事故死ときいております」
さっきの、執事の人がまたダンディーな声でいった。
そこにいた皆様、いっせいに頷く。
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