とち狂いはじめたご主人様の章 ~第1幕~

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呼び出されてさっきの部屋にいくと、ご主人様がひとりきりで待っていた。 緊張する。 さっきのことでだよね… もしかしてクビとかいわれるのかなあ… なんか飲み物を出してくれたけど、認識できない。 「まあ、座れ」 とりあえず言われたとおりにするしかないと思って、 「はい」 と返事をして椅子に座った。 「大丈夫か?」 「はい?」 え?今なんて? …………………………… しばしの沈黙のあと。 「いや、大丈夫なのかってことだ。お前にとっても、つらい事実だっただろうと思う」 「は、はい、平気です」 と、挙動不審気味に答えるあたし。 これは、し、心配されてる? どーしたことでしょうご主人様ったら。 「それとな……それと、海影、事件が解決したのはお前のおかげだ」 「え?」 ま、またまた意外なことをっ 「お前の奴をかばう気持ちが、奴の心を開いたんだ。もし、オレが問いつめても、奴は絶対に白状しなかっただろう」 ??? なにこれ、 これって認めてもらえてんの? この人に? あ、ありえない…… 「それについては、礼をいわせてもらう。ありがとう、海影」 「なにをとち狂ってんですかご主人様?」 「ちょ!?おまなんでいまそー」 っていって、口をあわてて抑えるご主人様。 「いやとにかく、事件が解決できたのはお前の手柄でもある。まあ、オレの真実を見抜く力が一番大きな理由だが」
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