とち狂いはじめたご主人様の章 ~第2幕~

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オレ、武島猛と華菊葉織の祖先は、かなり強力な直感だか霊感だかをもつ占い師だったらしい。 ある世代のご先祖さま達が出会い、 二人はお互いに美男美女で、報われない恋に落ちた。 報われないっていうのは、 二人の所属する、今風にいえば占い師協会みたいなとこが、二人の結婚を反対したんだ。 二人の家系が結ばれるのと引き換えに、周囲を不幸にしてしまうと、その占い師協会の偉いさんによって診断されてしまったから。 それでも二人は諦めず、結ばれる手段を探したーー 自分たちで偉いさんのよりもすごい占いの術を開発して、 もし二人が結ばれたら周囲を不幸にしてしまうとしても、 運気の流れなんかを調節して、周囲への影響を抑えられるようにしようとした。 けど、結局その夢は叶えられず、 せめて子孫たちに結ばれてほしいと、 二人は協会の導きのままにそれぞれ別の伴侶と添い遂げながらも、術を開発し続けた。 そして、長年の時を経て術は完成をみた。 しかし皮肉なことに、その子孫たちはお互いに愛し合うことはなかった…オレも含めてナッシングー なんだけど、そこには思わぬ副産物も生まれていた。 それが超がつくほどの直感力。 この家系の二人が男女で揃ったとき、どんな闇に隠された真実も太陽の光を当てたように描き出す。 つまりはすべてを知ることのできる力ッ!
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