とち狂いはじめたご主人様の章 ~第1幕~

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生活の面倒をみてくれるはずのいとこのお姉さん、葉織ねえさんがいなくなって、でも住むとこもないわけで、メイドになるしかないいきおいです。 葉織ねえさんが亡くなったのにも関わらず、引越費用なんかも全部だしてくれて、ここに呼んでもらえただけでもありがたいことだし… メイド服に着替えた、そんなどーしようもないあたしの前にやってきたのは、先ほどのイケメンの人。 イケメンさんは あたしをみるなり、 「思ったより似合ってるじゃないか……ハッ、馬子にも衣装ってやつだな」 ……んだこの台詞は。 顔はいいがこのイケメン樣は少々お口がわるいようで。 でもちょっと、機嫌を損ねるわけにはいかないのもあって。 それはなぜかというと…… 「おい、海影」 「は、はいっ」 「行くぞ、皆に紹介する」 「わ、わかりましたご主人様!」 そう、この口の悪いイケメン樣こそ、あたしのご主人様らしいのです! 「そういえば自己紹介がまだだったな、覚えておけ、オレがお前のご主人様、猛だ!」 いきなり自己紹介される。 しかも自分でご主人様って… ……まあ、この口が悪くてイケメンでかなり残念な方こそ、あたしのご主人様、猛(たける)樣なのです。
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