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生活の面倒をみてくれるはずのいとこのお姉さん、葉織ねえさんがいなくなって、でも住むとこもないわけで、メイドになるしかないいきおいです。
葉織ねえさんが亡くなったのにも関わらず、引越費用なんかも全部だしてくれて、ここに呼んでもらえただけでもありがたいことだし…
メイド服に着替えた、そんなどーしようもないあたしの前にやってきたのは、先ほどのイケメンの人。
イケメンさんは
あたしをみるなり、
「思ったより似合ってるじゃないか……ハッ、馬子にも衣装ってやつだな」
……んだこの台詞は。
顔はいいがこのイケメン樣は少々お口がわるいようで。
でもちょっと、機嫌を損ねるわけにはいかないのもあって。
それはなぜかというと……
「おい、海影」
「は、はいっ」
「行くぞ、皆に紹介する」
「わ、わかりましたご主人様!」
そう、この口の悪いイケメン樣こそ、あたしのご主人様らしいのです!
「そういえば自己紹介がまだだったな、覚えておけ、オレがお前のご主人様、猛だ!」
いきなり自己紹介される。
しかも自分でご主人様って…
……まあ、この口が悪くてイケメンでかなり残念な方こそ、あたしのご主人様、猛(たける)樣なのです。
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