とち狂いはじめたご主人様の章 ~第1幕~

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ご主人様について部屋の中に入ると、真ん中に大きな縦長のテーブルがあって、けっこう大勢のメイドさんやら使用人さんやらが席に着いていた。 きっとここで働いている人たち。 あたしの先輩ってことになるんだろな。 ご主人様から紹介されて、 「海影雪美です。よろしくお願いします」 と、ごあいさつした少しあと。 「む…」 うめくようなご主人様の声がした。 「そうか……そういうことだったのか……」 ひとりごと? こんなときに…このひと大丈夫かしら? と、思ったら。 「犯人はこの中にいる!!」 だ、大丈夫じゃない!!! 「猛様。犯人…とは、まさか」 低いダンディーな声がした。彫りの深い白髪の燕尾服を着た、たぶん世間でいう執事にあたる男の人が言った。 「ああ…わが妻、華菊葉織を殺した犯人だ!!
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