藤宮麗奈の不思議な告白

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  深呼吸のおかげか、いくらか冷静さを取り戻した僕は、いよいよパンドラの箱……いや便箋を開封しようと決意する。 はてさて、この中に希望は残っているのか……。 しかしその瞬間、はたと気付いた。 ここでは人目が多すぎる。 場所を移すし、頃合いを見計らわなければいけない……と。 理由など考えるまでもない。 確かにラブレター……まだ断定は出来ないが、それに類似するモノを貰ったという事実は、誇りこそすれ恥ずべき事ではないのだろうと頭では理解している。 しかし、今問題なのは、手紙を僕が貰ってしまったという所だ。 再三言っている通り、僕はモブキャラ街道まっしぐら、モブ中のモブだ。 そんなモブ男が、あろうことか他の男子にでもこの事が露見してしまったら、その時から僕の平和な高校生活が永遠に失われてしまうのは自明の理。 恋文を貰った事がある人は分かってくれると信じたい。 僕は再び周囲を警戒し安全を確認してから、比較的丁寧に、しかし火急的速やかに便箋を鞄に突っ込んだ。 そして、何事も無かったかのようにシューズを履き、慣れない口笛を吹きながら我がクラスに向かった。 ……平静を装おってるみたいだけど今までの挙動が不審すぎたから今更感強すぎとか口笛鳴ってないし白々し過ぎるとかよく見るとシューズが左右逆だったとか……そういったツッコミは無しの方向でよろしくお願いします。 これが僕の精一杯だったんだよ。  
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