第2章 ゴーディア編

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「だけど、やっぱりわたしはあの人を許せない。どんな理由があったにしても、わたしの全てを奪ってしまったあの人を……」   ルイは悲しそうな表情を落とした。 「だけど……、わたしはフェルデンやユリウスさんが心配だし、なんとかして二人を助けたい。ルイも協力してくれる?」  執務室を追い出されたヘロルドは、廊下に出て地団駄を踏んだ。 「くっそう、あの糞餓鬼どもめ……! 見た目こそルシファー陛下にそっくりだが、魔力など微塵も感じぬではないか! 今に見ていろ……! おれを虚仮にしたこと、しかと後悔させてやる……!」   痩せた男は、不気味な笑みを浮かべ、不穏な計画を練り始めるのであった。
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