第1章 サンタシ編

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「穢れの具合によります」   アカネを起こし終えると、フェルデンはロランを見つめた。 「よし、君に全て任せる。陛下にはおれから話して許可を貰っておこう。準備が整い次第直ぐに出立を。敵がまだ潜んでかもしれない。騎馬隊の第三小隊を護衛につけよう」 ロランはフェルデンに礼の形をとると、 「御意に」   と応えるとすぐさま早足で部屋を後にした。   何やら真剣な面持ちでフェルデンとロランがやり取りをした後、突然に早足でロランが部屋から出て行ってしまったことに不安の表情を浮かべている朱音をフェルデンはぐいと引き寄せた。   驚きで朱音は目を見開き、耳まで真っ赤に染める。 二人きりになった部屋の中で、何が起こったのか、朱音はフェルデンの腕の中に抱き寄せられる形で納まっていた。 フェルデンの引き締まった長身の身体は、逞しくとても安心できた。 服の布ごしに聞こえてくるフェルデンの心臓の音が、朱音の耳にしっかりと響いてきた。 「*******」  相変わらず言葉の意味はわからなかったが、優しい声は朱音のパニックを起こした心に深く沁みこんでくる。 「大丈夫、きっと帰れるから……」   フェルデンは、愛おしいと思えた少女を抱き締めずにはいられなかった。   たとえ、言葉が通じなくとも。
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