第2章 ゴーディア編

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  ほとほと、ヴィクトルの考えには驚かされ、国民に賢王と呼ばれるだけのことはある、とフェルデンは我兄ながら凄いと思った。 「はい、兄上。ぜひその役目、おれにやらせてください!」   フェルデンの目には確かに希望の火が灯った。   気落ちする弟を救い出すこと、それこそがヴィクトル王の一番の狙いだったのかもしれなかった。   重大な任務を背負ったフェルデンは、必ずアカネを取り戻す、という強い決心の名の下に、右手でつくった拳を左胸に引き付け誓いの形をとる。 「ああ。任せたぞ、フェル……!」
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