机の引き出し

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~三時間目の授業中~   「こら!島津!ぼけーっとしない!」  ぽかぽか陽気に誘われたのか単に寝不足だったのか、貴弘は先生から注意をさてしまう。 「へーい」  重い頭をなんとか持ち上げ正気のない返事でそれに応える。 「ばーか」  そのたらくをバカにしているかのように清貴は小声で貴弘に投げかけた。    この体たらくは島津貴弘。何よりも戦国時代が大好きである。知識は、学者並み。親友の加藤清貴もあまりの知識にオタク呼ばわり。しかし、清貴も戦国は好きなほう。  ちなみに、お気付きかもしれないが、貴弘は島津義弘、清貴は加藤清正の子孫である。  放課後になり、貴弘は帰り支度をしていた。 「貴弘、帰るぞ。」  先に支度を終えた清貴が貴弘を迎えにやってきた。しかし、貴弘は図書館で調べ物をするという。 「今度は誰?」  「今川氏について調べてみたくてな」  今川氏のことはある程度しているものの、もう一度調べてみるつもりらしい。 「俺も行く。」  貴弘に清貴もついて、図書館へ行くこととなった。   こんな会話は、日常茶飯事である。
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