机の引き出し

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 タイムマシーンが動きだし、どんどん加速していく。貴弘はニ回目ということもあり気を失わずにいられたが、初体験の清貴は気絶していた。  数分後、昨日と同じ山の中腹に出る。貴弘は清貴の頬をぺちぺちと叩き意識を回復させる。 「・・・ん?ついたのか。」  意識をもうろうとさせながら清貴は頭を起こし、それに対してうんと頷く。 「本当に戦国時代か?」  やはりすぐには信じがたいらしい。周りをきょろきょろと見渡す。 「その内わかるって」 と貴弘は立ち上がり麓へ下りて行った。それを見た清貴も後を追って山を下りる。  麓の村が見える位置まで下りてきたところで昨日と同じことが起こった。  「うつけがきたぞ!」  そして、馬の走る音とともに織田信長がやってきた。  「これは信長さま。」  ここまで昨日と全く同じである。  「本物だろ?」  物陰に隠れてその様子を見る二人。 「まだ分かんねーだろ?」  貴弘の催促に冷静に対応する清貴。 「誰だ!」 どうやらいつの間にか会話がヒートアップしていたらしく、信長に気付かれてしまったようだ。 「気付かれたじゃねぇかよ」 「やべぇよ」  信長におびえる二人。  「出て参れ!」   二人は恐る恐る信長の前に出た。
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