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「これでこの時代が戦国時代だってことがわかっただろ」
「わかったから早く帰ろうぜ」
得体のしれぬ感情におびえた清貴を無視するように、貴弘はつづけた。
「清貴、俺たちの夢はなんだ」
「え・・・まさかお前」
急なひとことにすべてを察した清貴は目を大きく見開いた。
「付き合ってくれるか、清貴」
今まで見たことのないような真剣な顔をした貴弘に清貴は思わず胸倉をつかみ激怒した。
「お前自分の言ってることがわかっているのか、ここはゲームでも本の世界でもない、戦に巻き込まれれば本気で死ぬかもしれないんだぞ」
この二人が友人になって以来、清貴がここまで怒ったのは初めてだろう。しかし、貴弘はまっすぐ清貴を見つめた。
「わかっている。ここは戦国時代、戦の時代。織田信長や武田信玄そのほか本でしか読んだことのない武将たちがたくさんいる。その時代で死ねるなら俺は本望だ」
貴弘がそう言い切ると、清貴の手が緩んだ。
「わかったよ、俺の負けだ。一人でこの時代に残すわけにもいかないし、俺も付き合うよ。ただし、本当に危なくなったらタイムマシーンに飛び乗れ、わかったか。あくまで俺たちは別の時代の人間だ、心中しようとするなよ」
貴弘はありがとうとうなずいた。そして二人はこの時代で歴史を変える決意をした。
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