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「アハハハ! あともう少し…もう少しで、完成だ」
若い男の声。
研究室のような所で男が机に向かって何かをしている。
暗闇の部屋の中で淋しそうにジジジ、と灯りが灯っている。ゆらゆらとランプの火が陽炎を残す。
ガチャガチャとガラス同士ぶつかる音や液体がこぼれる音が聞こえる。
どうやら何かの実験をしているらしかった。何の実験かは分からない。
この本棚の下の段の棚の中からだと研究者の後ろ側は見えるが、大きな棚に視野が遮られて、丁度、実験風景が見えないのだ。
何とかして見れないかと、よく目を凝らしてみる。が、努力むなしく、せいぜい研究者の右肩が少し見えるぐらい。
--どうにかして、ここからあの大きな棚まで移動出来ないか?
色々と自問自答してみるがなかなか良い案が思い付かない。
とりあえず一応ここからだと、あの大きな棚までは、2メートル位ある。
僕はあの研究者の後ろ側にいるから、普通だったら何の実験をしているか易々と近づいて見れることだろう。
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